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俺等ふたりはさ、記憶が始まった時から、
すでに当然みてえに横にいたし。
当たり前みてえに、2人セットで。
それは今もおんなしじゃん。
親の死に目に会いたいとか思わねえけど、
雲水と離れたいと思った事もねえし。
そんで気付いた。スッゲー最近。
俺、雲水、超好き。
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6月15日
起きたら2時半。昼のな。
昨日は打ち上げだった。部のな。
俺は昼間っから飲んでたから、打ち上げに行った時は、飲み始めて7時間はたってた。
別に酔っぱらってねぇけど。
体ダルー。なんか雨降ってるっぽいし、もっかい寝よ。
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6月16日
まあ、聞けよ。
昨日俺あのあと寝たじゃん、その後な、9時に起きたワケ。ああ、夜のな。マジ爆睡。
でさ、帰ってきてねーのよ。雲水。
9時だぜ?いつもは8時には帰ってんだけどさ、いねえの。
すげえ喉渇いたし、電話したら出ねーし、なんかメールとか送って来やがって。
それがコレ。
6月16日20:17
雲水
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一休の部屋で寝る
マジ意味わかんねー。一年の部屋なんか6人部屋だぜ?
寝れんのかよ、つーかなんか意味あんのかよ。
めんどくせえから理由とか聞かなかったけど、釈然としねえし、
寝過ぎたから寝るに寝れねえし、
んで今。
えー只今6時31分。もちろん朝。しかもかーなーりーソーチョー。
ガッコーな、たまには顔出すワケよ。ヤローばっかだけど。
あいつうるせえし。
でよ、この学食のランチを目の前にすっと速攻で気が萎えるワケだ。お約束。
ナニ?ココ、ム所なわけ?これで金とんのかよ。
金かかんねえ分、ム所のが得だよな。
「お、アレお前のアニキじゃん」
あ?コイツ?コイツはな、えー、何だ。名前わかんね。誰だコイツ。
あーあれだ、ほれ保健のババア、あれとヤッたっつーかなりのマニアだ。名前とかしらね。
雲水のヤロー、朝部屋に帰って来やがらなかった。
マジでオニーチャン、うどんと冷ややっことかそういうジジくさいメニューよせよな。
「うんすーーーい!コロッケ食う?おれハライッパイ!」
俺は座ったままハシを振り回して雲水に言った。
ナンカ周りからすげー見られてるけど知らねえし。
雲水は盆にうどんのどんぶりと冷ややっこを乗せたまま、こっちを振り返った。
ああ、そうな。距離はテーブルとかもろもろ挟んで10メートルくらい。
雲水は俺と目が合うと、こう眉毛の間にギッと皴を寄せてよ、
クルっと向こうを向いて、俺から最大限に離れられるテーブルに座った。
そうそれ、シカト。
俺のこの振り上げたハシはどうすりゃいいワケ?
つか何?絶対聞こえてたし、今。
「ナニ?ケンカ?」
ブタ飯もごもご言わせながらマニアが言う。
俺は、ウッセっつってハシ投げつけてやった。
なんかアクション起こさねーとカッコつかねえ状況じゃん。
俺は超ドSなわけよ。
こう相手が俺になんかムカついてやがんな、
とか思うと余計やってやりたくなるっつの?
シカトすんならわざと近くにいてやる、っつーワケでグラウンド。放課後練な。
練習に出てきた俺を見て、雲水は一瞬驚いたような顔してすぐに仏頂面になった。
そうそれ、結構似てんじゃん。
そんでそのカオで言ったわけ。
「何しに来た」
まァ、想定の範囲内ってヤツだよな。
「オマエの顔見に」
俺が笑って言うと、雲水はカオをまっっっっっかにして、
怒鳴った。
次は俺のモノマネの番な。
「ふざけるな!俺はお前の顔など見たくない!帰れ、目障りだ!!」
ってな。どう?似てね?
これはさすがに・・・・。
な、何?って感じ。
練習出ねえで怒鳴られた事は何度もあっけど、
出て来たっつーのに怒るやついるかよ。
「帰んねー」
雲水の鼻に俺の鼻がくっつくぐらい近寄って、言ってやった。
雲水は少しも引かず唇を噛みしめて俺を睨みつけた。
くるか?
一瞬そう思った。
胸ぐらでも掴んでくるかと思ったが、それはせずに俺に背を向けた。
「な、なにモメてんっすか・・・」
ホクロがオドオド近寄って来た。
「テメー何が気に入らねえんだよ」
ホクロは無視して俺は雲水の背中に言った。
「・・・・・・・・」
またシカトだ。
聞こえねえフリしてアップ始めやがった。
「俺なんかしたワケ?」
「・・・・・・・・」
しつこいな。しつっこいシカトだ。
「・・・・・・・・」
・・・・。
・・・・・・これは。
・・・・・・・・本当に俺なんかした?
雲水を怒らせた事は何度だってあるが、
雲水はだいたい直球で怒鳴ってくる。
練習出ろー連絡よこせー歯ァみがけーってな。
だから何に怒ってんのかすぐわかる。わかったって別に謝らねーけど。
「おい、シカトかよ」
「・・・・・・・・」
もしかすっと、シカトってのは初めてかもしんねえ。
「帰りゃいいんだろ、帰りゃ」
テメーの心臓が徐々に早まり出したから、ここは退いたほうが得策だと思った。
俺が背を向けるとホクロが追いかけてきた。
「あの、雲水さんきのう酔って・・」
「一休!・・・始めるぞ」
何か言いかけた一休に雲水が怒鳴った。
まあ、どっちみちホクロの話なんか聞いてねえし。
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6月17日
あのあと?フケたに決まってんじゃん。
いつも通りクラブ行って、暴れてやった。
なんか知らねーガキ多いし。どうせ田舎モンだろ。スゲーダセーの。
読んでる雑誌はsmartです!てなカンジ。笑うっしょ?
おもっくそ前歯狙ってボコボコにしてやった。
いいじゃん。どうせブサイクだし。
ママに差し歯入れて貰ったほうがマシになんじゃねえの。
まあ、それはそうとよ、来ないんだわ、コレが。
ハ?決まってんだろ、メールだよ。アッタマ悪りィな。
「今日は悪かった」
そんなん来るはずじゃん。
来ねえし、ケータイ古りィから壊れたのかと思って、
女にメール送らせたらフツーに届くし。
つかなに?マジ何であいつ怒り狂ってるワケ?
ああ、テメーに聞いたんじゃねえよ。ヒトリゴト。
あーもうーマジむかつくんだよ、意味わかんねー。
アレな、ニンゲンて寝ンにも限りがあんのな。
起きてるとムカツくじゃん。だから寝んだけどさ、結構すぐ起きんの。
・・・雲水に聞いてみろって?なんで怒ってんのか?
オマエさー、おかしくね?
なんで俺から連絡しなきゃなんねーんだよ。つか、なんつうわけ?
「なんで怒ってんの?」とか?「俺なんかした?」とか?
俺が?
おかしくね?
やるわけねーじゃん。俺悪くねえし。
・・・・・・・。
・・・・・・・悪くねえよ。多分。知らねーけど。
別にフツーに打ち上げ行っただけじゃん。
行っただけマシじゃね?
・・・・・・・。
・・・・・・・。
あーもーマジわかんねえ!!!
・・・・メールだ。
いやいやいやいやいや、まあ、まあ、落ち着けよ。あせんなって。
こうな、ここでソッコー開けんのはさ、俺超待ってたみたいじゃん?
いいからタバコよこせよ。
うっわ、来た。メンソールかよ、シケてんなー。
メンソールやめた方がいいってマジ。勃たなくなるらしいぜ。
うっせ。今開けるっつの。こっち見んな。
ピッ
・・・・・・。
は?いや、別にいいじゃん。誰とか。お前に言う必要なくね?
タバコよこせっつってんだろ。うるせえよ。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・まっず。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・ナニ見てんだよ。
ハ?してねーよ、貧乏ゆすりとか。地震じゃね?
っと、オイ!テメ、俺のケータイ、オイ、殺すぞ!!!
6月17日20:29
ホクロ
一休っす
お疲れっす。
阿含さん今日寮帰ってきたりします?
雲水さん今日も俺の部屋に泊るとか言ってんすよ。
あ、俺は別にかまわないんっすけど、
雲水さんそろそろカゼひくんじゃないかなーとか。
阿含さん、打ち上げの時の事って覚えてるっすよね?
酔っぱらってたとかないっすよね?
だったらいいんすけど。
すいません。失礼します。
ナニ申し訳なさそうにケータイ返してんのオマエ。
俺べつに雲水からとか言ってねえし。
待ってたとかじゃねえし。つか、どうでもよくね?キョーダイとか。
あいつが怒ってるとか関係ねえし。だから何?って感じじゃん。
俺なんにもしてねえし。つうかあのくらいで酔わねえし。
・・・・テキーラ?
誰が?俺が?
・・・マジで言ってんの?
・・・いや、知らね。誰それ。
俺を寮まで送ってった?ナニで?車?
あーあれっしょ、ビーエムっしょ。
・・・・ボルボ?うっそこけ、ボ、ボルボ?
・・・・・・。
ちょ、整理しようぜ。
ひゃ、いや、一万歩譲ってテメーの言うとおりだったとしよう。
俺はお前らと飲んでた、そん時テキーラ1本俺一人で空けた。
んでそのナニ?マ、マツダ?マツイ?とかいうオンナに、
俺は ボルボで寮まで送ってもらった、と。
・・・・・・・・マジ?
マジ、じゃなかったらテメーほんっとに殺すかんな。
あ"ー・・・。
覚えてねー。
そういやわかんねえ。打ち上げ誰いた、とか。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・俺、帰るわ。
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6月18日
ヨォ。
つーか俺ら最近つるみすぎじゃね?軽くそのツラ見飽きてきた。
昨日?ああ、昨日な。
帰ったけど、フツーに。
まあ若干、若干あせった。マジ若干だけどな。微々たる焦り?
飲んで記憶ねーとかマジ、ほんとありえねーから。
とりあえず部屋に行ったけどやっぱ雲水いねーし。
まあ、ホクロんとこだろうけど。
それがまたホクロんとこにも居ねえワケ。同室の一年が娯楽室じゃないですかだってよ。
気付いたら超速足で向かってた。キョーホみたいのな。
けど途中でフツーに歩いた。
いや、だってよ、なんか必死じゃん。速足とかって。
別に必死じゃねえし、雲水怒ってるとかどうでもいいし。
ただ、なんつの?記憶ねーって気分わりーっつうか。
自分の行動に責任持ちたいっつうか?
娯楽室つってもまあ、ショボイソファーとちっせえテレビがあるだけなんだけどよ。
そんで娯楽室に着いて入ったらよ、ソファの上には雲水の変わり果てた姿が・・・・
嘘嘘。
いつも通りムスーっとした雲水が居たわけ。
正確には別にフツーのカオしてたんだろうけど、
こっちを振り向くと同時にムスーっとなったわけだ。
ちゃっかり隣にホクロ。
ホクロ?ああ、デコのど真ん中にホクロあんの。一年坊主。
よく知んねーけど、アレ、バックの達人。
そうそ、正上位はどうにもニガテらしいぜ・・・ってバァカ。
バック走だよ。後走り。
そんなん達人になってナンカ得があんのか知らねーけど。
バックの達人のがマシじゃね?
そいつが雲水の隣に座ってたわけよ。
んで、雲水が言った。
「なんだ」
「い、いや、何っつか」
なになになに?
つーかなんでそんなに冷たいわけ?
何とか言われても、こっちが何っつか。思わずどもるっつの。
俺が口ごもってるうちに雲水はつい、とまたテレビにカオを戻した。
くっだらねーバラエティ番組。嫌いなくせによ。
まあ、用がないなら帰れ、のサインだな。
「つか、マジなに?なんかあんなら言えよ。いい加減むかつくし」
瞬間わすれた。
俺が打ち上げんとき記憶なかったとか。
だってよ、だんまりっつの?イチバン腹立つじゃん。
しかもイミねーじゃん。黙ってるとか。こっちわかんねえし。
「・・・・阿含」
「なに」
「・・・・・・・」
「なんだよ」
「・・・・・・・」
「マジなん」
「わ、忘れてくれ」
忘れる?
「何を」
「と、とぼけるな」
「とぼけてんのそっちだし」
「・・・・・・・うちあげ」
「打ち上げ?」
忘れろも何も最初から記憶ねーけど。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
わかんねえ・・・。
だって記憶ねーもん。
わかんねえけど「忘れてくれ」って言ってるしな・・・。
「いや、ぜってー忘れねえ」
忘れるっつか、知らねーけど。
とりあえず、言っとくべきっしょ。ココは。
さんざんシカトだのなんだのやられたんだしよ。
こんぐらい当然じゃね?ちっと困らせてやんねーと。
「やっぱり・・・覚えてるのか・・・」
ハ?なに?スッゲーションボリしてやんの。
つか、何?あんとき何があったワケ?
「ばっちしな」
ばっちし覚えてねーけど。
「阿含・・・」
超ションボリモード続行中。
「お前の言った事・・・冗談、だよな?」
しまった。
俺、何言った?
いまさらホントは酔っぱらって記憶ありません★じゃ済まされねえし・・・。
落ち着け、冗談か、冗談じゃないか、二択だ。賭けるしかねえ。
「あ、当たりまえじゃん。ジョーダンに決まってっし」
ハッ。
しまった。この答えは間違いだ。
なんでわかったかって?
ホクロだよ。マズイ!って顔しやがった。
「ジョ、ジョーダン、つーのがジョーダン?みたいn」
「俺が・・・俺は・・・」
ぶるっぶる震えてやがる。下向いてっけど、多分顔真っ赤だ。
ナントカ明王のみてえな顔になってる予感。
マジで身の危険。ヤベエ。マジヤベエ。
次の一撃だけは避けないとマズイ。俺は身構えた。
「ま、真に受けて・・・俺は馬鹿だ」
雲水はそう言って俺の顔を見た。
顔は真っ赤だけど、明王みてえのじゃなくて、な、なんつの?
て、照れてるっつか・・・マンガだったらほっぺたに斜線入ってるカンジ。
「ごめん、あごん」
雲水はそう言ってすぐに目をそらした。
わかる?わかるよな?
俺のムネはさ、こうキューンとしちゃってよ、だ、抱きしめたいっつか。
「う、雲水」
俺が打ち上げん時何言ったか知らねーけど、
もう、どうでも良かった。
俺は雲水の側まで行って、雲水の肩をつかんだ。
ガタイは俺とだいたい同じなはずなのに、
いたたまれなそうに俯いてる雲水がなんかちっさくて。
その姿がさ、もうシカトこいてた奴と別人で、
たまんねーワケ。
「雲水、超好き」
俺はそう言って、雲水を抱き寄せた。
もう、ガバアッってな感じで。
・・・・と思ったんだけど。
雲水ってな、俺とちがって右ききなワケよ。その右がな。
俺のアゴにクリーンヒット。
アッパーだぜ。
しかも超キョウレツなやつ。
つーかリアルにアッパー出す奴はじめて見た。
声とか、マジ出ねーって。
アゴってな、スッゲー脳揺れっから、一瞬意識遠のくわけ。
そのちょーーっと遠のいた意識の向こうであいつ、スゲー勢いで言った。
「冗談と言った後にそれか!ふざけるな!!」
って。
あ、察した?スルドイじゃん。
まあ、これはあとからホクロから聞いたハナシなんだけどよ、
俺、打ち上げでおもっくそ雲水にコクったらしいんだわ。しかも長々と。
まァ、そう考えりゃあハナシは通じるわな。
通じねえって?
なんで雲水がシカトこいてたかって・・・・オマエ、ヒトの話聞けよボケ。
いいか?あの打ち上げ、なんか雲水も飲まされて酒入ってたらしいんだわ。
そこに俺がコクッた。
それに対して雲水がナンカ言った。
そのナンカが雲水的には言うんじゃなかった・・・つー事だったってワケよ。
ビビッと察しろよな。
まあ、具体的になんて言ったのかはホクロも口割んなかったけどよ。
それは追々・・・おっと、メールだ。
・・・マジかよ。超ウゼー。紅白戦とかマジダルイし。
オマエこれからどうすんの?クラブ?
あー俺?今日パス。
べ、別にブカツ出るとかじゃねえし。出る訳ねーじゃん。
ふうーん、とかマジむかつくお前。
ああ、ずっと気になってたんだけどよ。
オマエのその髪形さ、それでオッケーなわけ?
なんか超カオデカく見えんだけど。つかダサくね?
カンケーねえけど。
じゃ、俺行くわ。
バイバイキーン。
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作品名 「My Favorite Brother!!」
妄想小説化 北川
妄想内容
→・阿含を徹底的に嫌う雲水
・無視or言葉責め。とにかく精神的に苛め続ける
・阿含はかまわれたくて必死。でもプライドがあるから口には出せない
・最後の最後で優しくなる雲水(何があったんだ)
・傷つき不貞腐れてた阿含「なんだよ、畜生!大好きだ!」となる
テーマは意地悪お兄ちゃんと愛ゆえに翻弄される弟。
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余談
流れ的に「畜生!大好きだ!」とテンション高めに言わせられなくてマジすいません。(平伏
最近ナーガの皆様とお話した時にですね、ドリーム小説の話になって、
阿含の彼女になりたくはないけど、ダチくらいならいいなあ、と思い、ウッカリドリーム小説風に挑戦しました。
阿含のダチになったつもりでお楽しみ下さい。(?)
iッチー、期待はずれだったらすいません・・・!
悪くないぜ、もしそう思ったらば献上させてくれさい。
ステキ妄想ありがとう!iッチー!!
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